記事の詳細
魔の2歳児 取扱い説明書 Vol.5

自分を受け入れると、子どもが変わる——魔の2歳児と向き合って、気づいたこと
「魔の2歳児 取扱い説明書」シリーズ 最終回
このシリーズを通して、ずっとお伝えしてきたことがあります。
子どもを変えようとしなくていい。
子どもの「イヤイヤ」に振り回されて、何とかしなければと思うのは自然なことです。でも実は、変えるべきは子どもではなく、自分の中にある何かなのです。
最終回の今日は、このシリーズで一番伝えたかったことをお話しします。
子は親を映す鏡
「子は親を映す鏡」という言葉があります。
子どもが荒れている時、子どもがギャーギャー言っている時——それは多くの場合、親自身の内側にある何かを映し出しています。
私の三男が家族の食卓になかなか入ってこない時期がありました。いつもソファで寝てしまったり、すねていたり。
セラピーの仕事をしていた私でも、最初はどうしたらいいか分からなかった。でも深く向き合っていくうちに気づいたのです。妊娠中、三人目だからと無意識に手を抜いていた自分を。お腹に手を当てることも少なかった。
その時の息子は「自分はいない方がいいのかも」と感じていたようでした。
気づいた後、真剣に話しました。「あなたが生まれてきて、みんな嬉しかったんだよ。ここにいていいんだよ」と。何度も何度も。
3歳を過ぎた頃、何かが変わりました。目には見えないけれど、心と心がバシッとつながった感じがしました。それから息子は食卓に来るようになり、問題行動も激減していきました。
「どんな感情も、あっていい」
このシリーズを通して伝えてきたインナーチャイルドの話——実は、その核心はここにあります。
私たちは無意識のうちに、自分の感情に「良い・悪い」のレッテルを貼っています。
怒りはダメ。嫉妬はみっともない。甘えたいなんて恥ずかしい。わがままを言ってはいけない。
でも、本当はどんな感情も、あっていいのです。
50歳になっても、60歳になっても、人間の中には依存心も、怒りも、嫉妬心も、ひがみも——全部あります。なくなりません。全部あって、オーケーなのです。
自分の中の「怒っている私」「甘えたい私」「受け入れられない私」を、自分でまず受け入れてあげる。
それをやり始めた時から、不思議と子どもへの関わり方が変わっていきました。子どもがギャーギャー言っても、少し落ち着いて見ていられるようになりました。
自分に正直になることが、最大のコツ
子どもとのいい関係を作る、一番のコツは何だと思いますか?
テクニックでも、声かけの言葉でもありません。
自分に正直になること。
これに尽きます。
疲れた時は「疲れた」。受け入れられない時は「今は受け入れられない」。本を読みたい時は「ちょっと待って、ママ本読みたい」。
完璧なお母さんを演じなくていい。子どもはお母さんの「本当の気持ち」を、言葉以上に敏感に感じ取っています。
正直でいることが、子どもに「感情を出していいんだ」「本当の気持ちを言っていいんだ」と伝えることになります。
子育ては、自分のインナーチャイルドを育てること
子育てが辛い理由は、子どもが大変だからだけではありません。
子どもを育てながら、自分の中の小さな子ども(インナーチャイルド)も一緒に育てているから、辛いのです。
でも逆に言えば、子育てはこれほど深く自分と向き合える機会はないとも言えます。
子どもがボタンを押してくる。刺激してくる。その度に「あ、私の中にこんな気持ちがあったんだ」と気づく。気づいたら、その気持ちに「いてもいいよ」と言ってあげる。
それを繰り返していくうちに、着ぐるみを着る回数が減っていきます。本当の自分で子どもと向き合える時間が増えていきます。
幼少期に築いたものは、一生の財産になる
最後に、一番大切なことをお伝えします。
0歳から7歳の間に子どもの心と丁寧に向き合い、「愛されている」「ここにいていい」という感覚を育ててあげること——これは、その子が一生持ち続ける財産になります。
自己肯定感、人を信頼する力、愛される体験——これらは、やがて豊かな恋愛に、温かい家庭に、良い人間関係につながっていきます。
子育ての苦しかった時期は、必ず意味があります。
子どもと格闘している今この瞬間も、確実に何かが育まれています。あなたの中に、子どもの中に。
シリーズを通してのまとめ
このシリーズでお伝えしてきたこと:
- 反抗には理由がある——「否定された」「拒絶された」は勘違いから来ている
- 子育てが辛いのは、自分のインナーチャイルドが刺激されるから
- 怒ってしまってもいい。大事なのは「愛しているから怒った」と伝えるフォロー
- 「イヤイヤ」の下には、本当の気持ちが隠れている
- 自分に正直になり、自分を受け入れると、子どもが変わる
完璧なお母さんでなくていい。ただ、正直に。ただ、自分の気持ちと向き合いながら。
その積み重ねが、子どもにとって何よりの贈り物になります。
このシリーズは、2012年に札幌で開催したセミナー「魔の2歳児 取扱い説明書」をもとに書きました。14年以上前の内容ですが、お伝えしたいことは今も何も変わっていません。
西谷真美(CosmicMother Co.,Ltd.)
心理セラピスト・チャイルドセラピスト講座 主宰
HP: https://blue-winds.com





