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あ・い・し・て・る
数年前
娘さんに連れられて 個人セッションを受けに来られた
60代のお母さんがいました。
ずっと空気のように一緒にいたご主人が
ただの検査入院だと思っていたのが
突然様態が変わり亡くなってしまったそうです。
それ以来、うつ的症状から抜けられなくて
家からも出られず家事もできず
ずっとふさぎこんでいるとのこと。
娘さんは結婚を控え、
お母さんのことが心配で
BlueWindsのホームページを見つけました。
喪失の感情には、プロセスがあります。
そのプロセスのどこかで感情を感じることを許さない場合
そこで停滞し、 固まった、身動きとれない状態になります。
感情はダメなものではない、 ということを知るだけで
どれだけ楽になっていくことだろうと
私は色々な方の話を聞くたびに切に思います。
そのお母さんが一番苦しんでいたのは
もっとお父さんにこうしてあげればよかった!
もっとできることがあったんじゃないか!
という後悔の想いでした。
そして、ご主人から
自分は愛されていたのだろうかという想いも
持っていました。
長年連れ添うと、
いつもそこにいるのが当たり前で
言葉や態度で愛を伝え合うことはあまりありません。
セラピーで喪失の感情をひとつひとつ解放し
お母さんはずいぶんすっきり楽になりました。
そして、こんなことを思い出しました。
「お父さんが危篤状態でもう意識がない時に泣きながら
『お父さん、今までありがとね、ありがとね』 と言ったら
ものすごい力で握っている私の手を5回
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、と 握ったんですよ。
なんででしょうね。すごい力だったんです。」
私は先にピンときて、涙が溢れてきました。
私「きっとそれは『あ・り・が・と・う』ですよ」
お母さん「えっ、(涙・・・)」
私「そして、あ・い・し・て・る」ですね。
そんな言葉が自然と出てきました。
私もお母さんも、一緒にいっぱい泣きました。
愛はいつもそこにあったということ
お父さんの愛に包まれて、 深いところで一緒に泣きました。
空気のような、日常の中に、
いつも当たり前のように、 愛が流れていたということ
言葉を超えた存在の大きさ
亡くなったあともそこに生き続けている
時間も空間もない
今ここに生きている
そんなことを感じた、思い出したセラピーでした。
家に帰ってから、家族がさらにいとおしく
ひとつひとつの出会い、
瞬間をより大切にするようになりました。
「なくならない
形を変えていつもそこに存在している」
いつかこの意味が深く理解できた時
失うことが怖くなくなります。
なくならない
形を変えていつもそこに存在している
これが
真実なのです。
メルマガ「幸せな家庭のつくりかた♪」より