記事の詳細

◤罪悪感は「心が人間になる」過程であらわれる
 ~ 見えない感情の正体がわかった日 ~
(チャイルドセラピスト講座11/21フォローアップより)◢



「なんとなく心が重い」
「良いことが起きても素直に喜べない」
「いつもどこかに不安がある」
「私は人を傷つけてしまうんじゃないか」

こうした
“理由のわからない生きづらさ”の中心にあるのが、
実は 罪悪感 です。

多くの人にとって罪悪感は、
「悪いことをした時だけ感じるもの」
「反省のために必要な痛み」というイメージがあります。

ですが、罪悪感はもっと深く、もっと複雑で、
そして人が成熟する過程で
必ず向き合うことになる感情 です。

今回のフォローアップ講座では、
この見えない感情を「人生のテーマ」として
捉え直していきました。


■ 罪悪感とは何か?

自分を罰する心。
でも、その奥にあるのは「人間らしさ」。

罪悪感とは、
「悪いことをした」と感じた瞬間に生まれる、
自分を責める感情です。

けれど、ここで大切な視点があります。
罪悪感を感じられるということは、
「心が人間として成熟し始めた証拠」なのです。

心が十分に育っていないうちは、
自分の行動の影響を深く感じ取ることができません。

でも、心が育つと、
過去のふるまいや言葉、
態度の重さに突然気づき、
押し寄せて苦しくなる。

“自分の行動の意味が分かってしまう瞬間”
それがまさに成長の証です。


■ 罪悪感には種類がある

罪悪感には、いくつもの層があります。
① 傷つけた罪悪感
② やることをやらなかった罪悪感
③ 親や兄弟姉妹への罪悪感
④ 自分との約束を破った罪悪感
⑤ 無実の罪悪感(過去の記憶が刺激される)

特に⑤は、
何も悪いことをしていないのに胸が苦しくなったり、
自分を責めたりする厄介なもの。

これは、幼少期から抱えてきた“心の記憶”です。


■ 子育ての罪悪感は、なぜこんなに深いのか?

最も深く強いのが「子育ての罪悪感」です。

・妊娠・出産のとき
・子どもが0〜6歳の頃
・反抗期
・独立のタイミング
・大人になってからの関わり

どの段階にも、
「厳しすぎたのでは」
「甘やかしすぎたのでは」
「あの時もっと…」という思いが顔を出します。

例えば、
第一子は“新米上司についた部下”
末っ子は“ベテラン上司についた部下”
状況は違って当然。

それでも親と子は、いつも“共に育ち合っている”。

母としての未熟さに気づき、
そのたびに罪悪感が生まれるのは、
愛があるからこそ、なのです。


■ 罪悪感を抱えたままだと、人生に何が起きるのか

罪悪感は、
静かに、確実に人生に影響を与えます。

● 人生
・トラブルが続く
・苦労を引き寄せる
・お金や財産のことで損をしやすい
● 人間関係
・愛されていない気がする
・責められている気がする
・「ノー」が言えない
・子どもをうまく躾けられない
● 体
・眠い・だるい・疲れやすい
・風邪をひきやすい
・老ける、くすむ、姿勢が悪くなる
・事故・ケガ・病気が増える
● 未来
・幸せになってはいけない気がする
・明るい未来を描けない
・成功がこわい

苦しさから逃げるために、
“楽しいことで蓋をする”
“仕事しすぎる”
“支配する・世話をしすぎる”

などの行動が出てくることもよくあります。

でも、蓋をすればするほど、
心の奥では膨らんでいきます。


■ 心が成長すると、罪悪感は“増える”

ここは、多くの受講生が涙を流したポイントです。

①赤ちゃん〜2歳
→ 罪悪感を感じない(しかし溜まっていく)
②3〜6歳
→ 言葉にできず「不安」として現れる
③大人になって心の学びを始める
→ 初めて意識化され、一気に苦しくなる

つまり、
心が成長すればするほど、
罪悪感は意識に上がってくる。

苦しくなるのは、後退ではなく「前進」。

このタイミングで逃げる人も多いですが、
ここを超えたとき、人生の風景が変わり始めます。


■ 罪悪感を癒すとは「自責をやめること」ではない

多くの人が勘違いしていますが、
罪悪感を癒すというのは、
“自分責めをやめること”だけではありません。

本質は、
・「あの時は未熟だった」と正直に認め
・そこから学び
・次の行動を変えていく
このプロセスです。

講座では、罪悪感には
自責型と反省型 の二つの反応があり、
前者は人生を止め、後者は人生を前に進める、
という話が大きな気づきになりました。


■ 最後に──罪悪感は、人生の先生

罪悪感はあなたを罰するためではなく、
あなたを育てるために存在しています。

罪悪感があるから、
・愛を学べる
・謙虚でいられる
・過去から学び、変われる

つまり、罪悪感は「成熟の証」であり、
人間らしさそのもの。

もし今、
心の奥に言葉にならない重さがあるなら、
一度この感情を丁寧にほどいてみてください。

「私の中にこんな世界があったのか」と気づいた瞬間、
心はゆっくりと、前へと進み始めます。


心理セラピスト 西谷真美



▷チャイルドセラピスト講座
 https://blue-winds.com/ac/c-ss

▷チャイルドセラピスト講座フォローアップ
 https://blue-winds.com/childtherapist2025

関連記事

ページ上部へ戻る