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音に敏感になってしまった方がいました。

せっかく新しいところに引っ越したのに
住んでみてわかったのですが

アパートは壁がかなり薄く作りが悪い
下の音は上がってくるし上の音もかなり響く。

部屋のどこにいても落ち着きません。

トイレもお風呂も居間も寝室も
起きてても寝てても
声や音が聞こえてきます。

だんだん、ノイローゼになってきました。

ほんの小さな音にも「びくっ」とし
下の人、上の人がわざと嫌がらせをしてるのでは?
私が寝たら寝て、私が起きたら起きてる

とまで妄想が始まるようになってしまいました。

きっと私のことを、こう思ってるに違いない
きっと私がこうしてるから、下の人もこうするんだわ

もう苦しくて、苦しくて
耐えられなくて数か月で引っ越ししました。

次の家は音はわりと静かですが
前回の家のトラウマが癒されず
まだ小さな音に、びくびくしてしまう毎日です。

もう限界!という時にセラピールームに来られました。

怖い、気持ち悪い、やめて! など
いろんな感情が出てきてそのまま感じました。

音に敏感な方は、匂いにも敏感だったりします。

「無防備に、自分の中に入ってくる」

という思いのクセを持っています。

誰かの怒鳴り声や、咳ばらい、子供の泣き声
にも反応してしまいます。

普段はわりと大丈夫なのですが
気持ちが落ちてナーバスになっている時は
もう気になって気になって

というより

バシバシ自分の中に入ってくる感じに
なってしまうのです。

それで、いっぱいいっぱいになってしまいます。

現在感じている感情を感じ

次のステップは

その感情が生まれてくる「思考の種」
見つけます。

カウンセリングの中で
あ、これだな、というのがわかっているので
その言葉をかけていきます。

「私のせいだと思ったんですね」と。

「私のせい?私が悪いの?と、思ったんですね。」

どわっと涙が溢れました。

ピンポーン! 当たり! だからです。

それもそのまま感じてもらい
次に書き換えていきます。

「それは本当にあなたのせいですか?」

「『私のせいではない、私が悪いからではない』と
心の中で、自分に言ってあげてください」

だんだん、落ち着いてきました。

そして、また次のステップです。

ずっと過去、似たような出来事
似たような気持ちになったことはありませんか?

「あ、父です。 自分の思うようにならないと
父はよく怒鳴り散らしていました。」

「その時、怖かったし、自分のせい?って 思ったのかもしれませんね。」

「そうだったんだ、そこだったのかも。」

気づくと心に光が差し込み
明るく軽くなっていきます。

まさかこんな幼い頃の出来事が
こんなふうな形で現れるとは?

誰もがびっくりしますが
私は何度も何度も見てきました。

「イメージで、 怒鳴ってるお父さんを見てください。
怖いですか? 怖いですよね?

じゃあ、そのお父さんの中に 小さな男の子がいて
その子が自分の思うようにならなくて
怒ってるイメージをつくってみましょう。

どうですか?」

「あ、かわいい。」

「そう、怒鳴り散らしていたお父さんは
大人のお父さんではなく
内なる子供に乗っ取られて がーがー怒鳴ってたようですね。

そう思うば、どうですか? まだ怖いですか?」

「怖くありません」

「じゃあ、この“子供に乗っ取られてるお父さん”に
なんて言いたいですか?」

「ふざけんな、このやろう! おまえのせいで私はこんなに苦しかったんだぞ!
ばこばこ!!(イメージで殴ってみる:笑)
ふう~、すっきりしました。 なんだか笑っちゃいます♪」

よかった♪

そして、また次のステップにいきます。

「アパートの下の人、上の人がしたようなことを
あなたはしなかったけれど、
こうしてやる~と恨みに思ったことはありませんか?」

「あ、ありました。いっぱいありました。」

「そう、思ったことも、実際やったことと同じくらい
自分を責めてしまうものなんです。
その罪悪感が、ネガティブな妄想となり
自分を苦しめてしまうんですよ。」

「そうなんですね・・・」

「また、お父さんのように
あなたも自分の思うようにならないと
誰かに暴言を吐いたり暴れたりしたことは
ありませんか?」

「きゃあ~ありますあります~。 お酒を飲んだ時に父そっくりになります~
父が憑依してると思ってました~。 いいわけですね~、はずかしい~」

「よかった♪
またさらに、自分に気づけましたね?」

「これから、音に関して『怖い』と
ビクビクしてしまうクセはまだ残っていますので
『怖い』と感じた時に、今日のセラピーでやったことを
思い出して練習してみてください。

長年積み重ねてきた心のクセ、感じかたのクセは、
練習しないとよくなりませんので。」

 

セラピーで100%よくなるのではなく
気づき、心のクセを修正する練習をしないと
なかなか思うようによくはなりません。

他力本願なだけでは、
決していい方向には向かわないのです。

練習あるのみ、です♪

この方は、来られた時とは、
うってかわって すっきりして帰られました。

あとは練習あるのみだということは

忘れないでくださいね。

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