──その奥に隠れた『世界は安全じゃない』という思い込み

自分をどう扱ってきたかは、人間関係に映し出される

長いあいだ、自分を責め、否定し、心の中でいじめ続けてきた人は──
やがて、その矛先を外へ向けます。
それは見知らぬ他人ではなく、家族や恋人、友人など、一番近くにいる存在。
「この人は離れていかない」という安心感があるからこそ、
心の奥に積もった否定や怒りがあふれ出してしまうのです。
　

自分をいじめてきた人ほど、いじめに敏感になる

逆のパターンもあります。
自分をいじめてきた人ほど、相手の小さな言葉や態度に過剰に反応し、
過去の痛みを何度も再生してしまうのです。
「否定された」と感じた瞬間、その“否定”を否定しようとして、
「私らしく」「あるがまま」を、時に攻撃のように強く主張してしまうこともあります。
　

心の奥で信じている「世界は安全じゃない」

心の底ではまだ、こう信じています。
──世界は安全じゃない。
だから、傷つけられる前に身構え、戦う。
それが習慣になり、やがて自分自身をも苦しめます。
　

連鎖を止める第一歩は、自分への優しさから

いじめの連鎖を止めるには、まず自分をいじめるのをやめること。
責めたくなったら、立ち止まって問いかけてみる。
「これは本当に必要な言葉だろうか」。
否定から理解へ。攻撃から受容へ。
その積み重ねが、自分との関係を変え、世界の表情もやわらぎはじめます。
　

灯りを消さない限り、世界は優しくなっていく

そしてある日、気づくのです。
「私らしく」は、戦って勝ち取る旗じゃない。
静かに胸の奥で息づく灯りなんだ、と。
その灯りを、自分の手で消さない限り、
世界は少しずつ優しくなっていき──
やがて、その世界の中で、あなたは本当に自由になるのです。

　　

「私らしく」は、戦って勝ち取る旗じゃない。
胸の奥で、静かに灯っている光。
その光を、自分の手で消さない限り、世界は少しずつ優しくなっていく。