記事の詳細

感情を感じないように日々過ごしていると、
体からのサインも、少しずつ読み取れなくなっていく。
 
私たちは毎日、
食べたもの、考えたこと、そして「感じたこと」で、
心と体の両方をつくっている。
 
けれど多くの人は、
感情を感じることを、どこかで止めてしまう。
 
怒りはダメ。
悲しみは迷惑。
不安は弱さ。
 
そんなふうに、
感じること自体を否定しながら生きてきた人ほど、
ある時から、体のほうが先に限界を知らせてくる。
 
眠りが浅くなる。
朝、起きるのがつらい。
理由もなく体が重い。
 
ストレスを感じていることに気づかず、
甘いものに手が伸び、
だるさや胃もたれ、
思考が回らない感覚だけが残る。
 
寒い場所で我慢して作業を続け、
冷えが溜まり、
免疫が下がり、
風邪をひく。
 
どれも日々の「小さな無視」の積み重ねが、
不調として現れているだけだ。
 
感情は、本来、
「気づいてほしい」というメッセージとして現れる。
 
けれど私たちは、
それをダメなものとして溜め込み、
なかったことにし、やり過ごしてきた。
 
すると、
感情が行き場を失い、
体が代わりに表現し始める。
 
だからこそ、体調不調は、
「人生を立て直すためのサイン」でもあると、
私は思っている。
  

更年期という体の転換点

特に女性は、
閉経前後という大きな体の変化の時期に、
さまざまな不調が出やすくなる。
 
めまい。
耳鳴り。
難聴。
不整脈。
首や肩のこり。
腰痛。
目がしょぼしょぼ。
関節の痛み。
理由のわからない落ち込みや、うつっぽさ。
検査では異常が見つからない体調不良。
 
これらは、
「気のせい」でも「年取ったから」でもない。
 
体の変化に、
これまで溜めてきた感情や生き方のクセが重なり、
表に出てきやすくなるだけ。
 
私もそうだった。
 
ある日、突然めまいが起きた。
右側だけが、ぐるんぐるんと回る。
 
右側が、
パラっと何かがはがれたような感覚があって、
そこから世界が傾き始めた。
 
起きているときは、わりと大丈夫。
でも、寝るとき。
そして、起き上がるとき。
その瞬間だけ、はっきりと回る。
 
気になって、ネットで調べる。
出てくるのは、不安になる言葉ばかり。
 
試しに整体に行き、
鍼治療も受けてみた。
けれど、よくならない。
 
最後の最後に、病院に行った。
 
検査を受け、
医師から、耳の模型を見ながら説明を受けた。
 
めまいの仕組み。
なぜ右側だけが回るのか。
どうして寝るときと起きるときに出やすいのか。
そして、どう対処すればいいのか。
 
原因と、仕組みと、対処法。
 
それが腑に落ちたとき、
驚くほど安心した。
「この症状と、うまくつきあっていこう」
そう思えた。
 
すると、
しばらくして、
いつの間にか症状は消えていた。
 
振り返ると、
体の不調で、こうした経験は何度もあった。
 
原因がわからず不安なときは、
症状は居座る。
 
でも、仕組みがわかり、
「これはこういうものなんだ」と理解できると、
必要以上に怖がらなくなる。
 
感情も、まったく同じだと思っている。
  

感情は「なくす」ものではない。「扱える」ようになるもの

長いあいだ、
私は感情を「消そう」としてきた人たちを見てきた。
 
怒りをなくしたい。
不安を感じないようになりたい。
悲しまない自分になりたい。
 
でも、
感情は、なくせばいいものではない。
 
むしろ、
なくそうとすればするほど、
形を変えて、もっと厄介な形で現れる。
 
感情は、敵ではない。
 
体の症状と同じで、
「今の在り方を見直してほしい」
というサインにすぎない。
 
だから大切なのは、
感情を消すことではなく、
扱えるようになること
 
なぜ、この感情が出ているのか。
どこから来ているのか。
何を伝えようとしているのか。
 
それが少しでもわかると、
感情は暴れなくなる。
 
「これと一緒に生きていこう」
そう思えた瞬間から、
力を失っていくことがある。
 
気がついたら、
もうそこにはなかった。
 
消そうとしなくていい。
無理にポジティブにしなくていい。
 
理解して、
つきあえるようになると、
感情も、体の症状も、
役目を終えていくことがある。
  

だから私は、「仕組み」を伝えている

私がセラピーや講座で、
一貫して大切にしているのは、
「仕組み」を伝えることだ。
 
感情の仕組み。
心と体のつながり。
なぜ同じことでつまずくのか。
なぜ、年齢を重ねてから不調が出やすいのか。
 
理由がわからないままでは、
人は、ずっと不安なままだ。
 
でも、
仕組みが少し見えるだけで、
人は自分を責めなくなる。
 
「私が弱いからじゃない」
「ダメだからじゃない」
「こういう流れだったんだ」
 
そう理解できると、
人生との向き合い方が変わる。
 
特に、
40代、50代、60代。
 
子育てや家族の世話、役割が一段落し、
これからは「自分の人生」を生きていく時期。
 
さあこれから!というとき。
 
このタイミングで出てくる不調は、
失敗ではない。
 
むしろ、
ここからの生き方を整えるための
大切なサインだと思っている。
 

家族の体調不良に腹が立つ時

以前の私は、自分の体調管理を、
当たり前のように私まかせにする家族に、
腹が立つことがあった。
 
具合が悪くなってから慌てる。
普段は何も考えない。不摂生をしている。
でも、何かあるとこちらを頼ってくる。
 
「自分のことなんだから、自分で管理してよ」
そんな言葉が、心の中に浮かぶ。
 
でも、あるとき、ふと思った。
 
「それ、私自身にも向けられる言葉かもしれない」、と。
 
誰かに頼るつもりはなくても、
どこかで、
自分の心や体のことを
後回しにしてきたんじゃないか…。
 
不調が出てから気づく。
限界がきてから立ち止まる。
 
それは、
家族に対して感じていた苛立ちと、
同じ構造だった。
 

自分を整える

家の中を掃除し、整理するように、
心と体も、自分自身で
日々、少しずつ整えていく。
 
特別なことをする必要はない。
日々、少しずつ。
 
私、疲れていない?
無理をしてない?
本当は、何を感じている?
 
責めてない?
攻撃してない?
私の声、ちゃんと聞いてる?
 
心と体の整理整頓と掃除を、
日常の中で繰り返していく。
 
そうすると、
悪化する前に異変に気づける。
いい選択肢が見える。
自分に合った治療法が見つかる。
 
そして何より、
「これから、どう在りたいか」
「どんな生き方を選びたいか」が、
自然と見えてくる。
  

不安の正体と、これからの時間

多くの不安は、
「今」の出来事そのものより、
 
・自分で自分のことができない気がする
・ひとりで生きていけない気がする
・何か起きたら対処できない気がする

そんな、
子どもの頃に身についた感覚から生まれている。
 
不安が強いと、
人に任せすぎたり、
鵜呑みにしたり、
言いなりになったり、
本当は違う選択をしてしまう。
 
だからこそ、
これからは、
どうなりたいのか。
本当はどうしたいのか。
 
その思いを、
自分の言葉で言語化できるようになることが、
とても大切だと思っている。
 
年齢を重ねることは、
衰えることではない。
 
体と上手につきあい、
感情を癒し、
経験をすべてエネルギーに変えていくこと。
 
それが、
成熟して生きる、ということ。
 
私はこれからも、
「感情を感じることは、心と体を生きること」
そのことを、
日々の暮らしの中で伝えていきたい。
 
人生100年時代。
後半の時間を、我慢ではなく、
納得と安心とやすらぎの中で生きること。
 
それは、
未来の子どもたちに、
安心できる未来を手渡していくこと。

 

 

#感情を感じる#心と体#更年期
#40代女性#50代女性#人生後半
#自分を大切にする
#感情の扱い方#心の整え方
#成熟した生き方
#感情教育未来アカデミー

関連記事

ページ上部へ戻る