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子どものウソにどう向き合う?

ママが知っておきたい心の仕組み
「また嘘をついてる…」子どもの嘘を目の当たりにしたとき、ママの心は複雑です。すぐに正したくなる気持ち、わかります。でも、ちょっと待って。子どもの嘘には、実は深い意味があるんです。
子どもがウソをつく理由を知ろう
最初からウソをつく子はいません。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ありのままの気持ちを表現します。では、なぜ子どもたちは嘘をつくようになるのでしょうか?
怖さから生まれるウソ
多くの場合、子どもは「怒られるのが怖い」からウソをつきます。コップを割ってしまった、宿題をしていない、友達とケンカをした…。正直に言ったら叱られるかもしれない。そんな不安が、小さな嘘を生み出します。
心の傷を守るためのウソ
時には、小さい頃からの心の傷がうずいて、自分を守るためにウソをつくこともあります。
例えば、失敗を怒られた時、未熟さを怒られてバカにされて傷ついた経験。親は子どもの未熟さを許せなくて、ちょっとしたミスでも怒ってしまう。これはよくあることです。
ママ自身も子どもの頃、そうだったかもしれませんね。そんな経験から、日頃から怒りや恨みが溜まっていると、それが嘘という形で現れることもあるんです。
「ごまかし」が上手な子もいる
中には、自分の非を隠して、しれっとウソをつく「ごまかし」が得意な子もいます。時には、誰かを悪者にすることで、自分の非(欠点、悪いところ)を隠そうとすることもあります。
なぜ非をごまかすのでしょうか?
「だって、最初になになにされたんだもん!」
「だって、私より、あの人の方がわるいんだもん!」
「だって、先に私を傷つけたんだもん!」
このように、相手の欠点を持ち出し、拡大し、誇大表現して、自分の非を守るために「ごまかす」のです。
しれっと、ごまかし、しれっと…。ウソを何度も言っていると、もうウソなのかホントなのか、自分でもわからなくなってしまいます。ウソにウソを重ねていくうちに、やがて信頼されなくなり、嫌われてしまう。これも、子どもなりの防衛本能の表れですが、気をつけたいパターンです。
実は、ママ自身も…
ここで少し振り返ってみませんか?私たち大人も、実は日常的に小さな嘘をついています。
行きたくない会合に「体調が…」と言って断ったり、好きじゃない人とのつきあいで愛想笑いをしたり。怒っているのに「怒ってない」と感情を抑圧することもありますよね。
そんな自分が嫌になることもあります。だからこそ、子どもがウソをつくのを見ると、すごく嫌で見たくなくて、今すぐ直したくなるのかもしれません。
ウソには「いいウソ」と「悪いウソ」がある
すべてのウソが悪いわけではありません。相手を思いやる優しいウソもあれば、人を傷つけるウソもあります。
そして、ウソには大きく分けて2つのパターンがあります。
①ウソには本人も気づかない隠している理由(痛み)がある
心の奥深くに眠っている痛みや傷から、無意識にウソが生まれることがあります。
②ごまかす「自分の非」がある
自分の失敗や欠点を隠すために、意識的にウソをつくパターンです。
悪いウソは、後で自分の中で「罪悪感」が溜まり、結果的に自分を罰する出来事を引き寄せることがあります。子どもも、本能的にそれを感じているものです。
子どものウソへの向き合い方
子どものウソは、知っていても分かっていても、直そうとせずに、すっとぼけてみてください。 時には、ウソを見逃すことも大切です。
なぜなら、子どもの中には「良心」があり、それが自然に諭してくれるからです。その良心を信頼して、静かに待つことが大切です。
また、子どもの心の痛みの根っこを、一緒に見つけてみる時間をつくるといいかもしれません。急がず、焦らず、子どもの心に寄り添いながら。
ただし、大人のウソは子どものウソとは違って、たちが悪い場合もあります。大人には、しっかりとした躾けや指導が必要です。
これは、大人の中の「インナーチャイルド」を癒して躾けることでもあります。ダメはダメだと、きちんと自分に教える必要があるのです。
ママができる最初の一歩
まずは、自分のウソに気づくことから始めてみませんか?
そして、そのウソをついて何を守っているのかを見つけてみてください。その「守っているもの」に、今の自分が全部肯定し、「今はそうなんだね。そう思っててもいいよ」と寄り添ってみてください。
きっと心の奥で「わかってくれた!」と、泣きながら傷が癒され、本当の自分が出てくるはずです。
さいごに
子どもの嘘は、子どもなりの心の表現です。防衛反応です。
それを理解し、受け止めることができれば、親子の関係はもっと深くなります。
子供がウソをついた時、向き合い方があります。怒って正さなくても、ゲームのように、コロコロ笑って反省する方法もある。この方法だと、二度とウソはつかなくなりますよ。
完璧なママである必要はありません。
まずは自分の心と向き合い、子どもの心にも寄り添ってみてください。
きっと、新しい発見があるはずです。
