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子育てママあるある奮闘記~あるケースから

心の扉を開いてくれた、心理カウンセリングの日々
はじめに
数か月前の怒涛の日々を振り返る時、私の心にはいつも、あのカウンセリングの時間が鮮やかに蘇ります。それはまるで、先の見えない旅の途中で立ち寄ったオアシスのように、傷つき乾いた心に、癒しと潤いを与えてくれました。
私には3人の子どもがいます。第一子(5歳女の子)、第二子(3歳男の子)、第三子(10か月女の子)。
セラピストからの新しい視点
あの日、私は心理セラピストの言葉に、何度も「分からなかった」と繰り返していました。何を言われているのか、ピンとこなかったからです。でも、彼女の言葉は、まるで霧が晴れるように、私の中に潜んでいた心の絡まりを解きほぐしていきました。
「長女ちゃんはね、その場面ではお母さんに褒められたくないの。当たり前に勝てること、当たり前にできることは」という言葉は、初耳!という思いと共に、私の胸にすとんと落ちました。
子どもたちの未来への希望
心理セラピストは、私の三人の子どもたちの未来を熱く語ってくれました。
「めちゃくちゃこれから楽しみですね。ちゃんと変わりますから大丈夫。いつか『どう育てたらこんな子になるの?(いい意味で)』って、出会う人出会う人に言われますよ、お子さん三人とも」
そして、「子育てにフォーカスしてくださいね。旦那さんに何と言われてもいいから、三人を立派に育てましょう。18年後、旦那さん、きっと、こんなふうに言うと思います。『子どもたち(ちゃんと育った子どもたち)、俺に似てる』ってね。ふざけんな、って思っていいですよ。『お前、育ててないじゃん』って(笑)。男って、まあ、そんな生き物なんですよ」という力強い言葉は、私の心に深く響きました。
子どもたちが感謝してくれる日が来る。その言葉が、私の背中をそっと押してくれました。
自分自身と向き合うこと
セッションの振り返りでは、私自身の内面と向き合うことになりました。心理セラピストは、「立派な人もチャイルド(子供ごころ)になってしまうことが多々あります。崇拝しない、美化しないように。ちゃんとしっかり見ることが大切です」と教えてくれました。子どもたちが大人の本質を見抜く鋭い目を持っているという言葉は、私に新たな視点を与えてくれました。
セッションの終わりが近づくにつれ、私の心は少しずつ軽くなっていきました。家事の負担を減らすために導入した家電。これって手抜きかも、と感じていた罪悪感が、子どもたちとの時間を持つための「いいこと」だと思えるようになったのは、大きな変化でした。
心理セラピストの「子どもの心を理解してあげれば、ちゃんと育ちますよ」という言葉に、私はとても安心しました。
心のワークを通して見えてきたもの
早速、私は教えてもらったワークを実践しました。「怖いこと」「恨み」「罪悪感」「頑張ってきたこと」というテーマで、自分自身を深く掘り下げていきました。
「怖いこと」について
「怖いこと」では、人から何か言われることへの恐れや、自分の居場所がなくなることへの不安が浮上しました。そして、夫のことを考えていたはずなのに、幼い頃に怒っていた母の姿が目に浮かび、それが本当に怖かったのだと気づきました。
私の母は「あれダメ、これダメ」と制限が強く、子どもを正しく導かなければならないという思いが強い人でした。その影響で、私もまた、長女のことを「私のもの」だと思っていたことに気づかされました。「長女はみんなの長女、長女自身の長女なのだ」。口ではそう言っていても、心の底ではそう思っていませんでした。
「恨み」について
「恨み」のテーマでは、出産前後の夫への「逃げやがって」という感情が強く表れました。出産前の夫の行動、特に長男の出産前に耳の手術が臨月までずれ込んだことや、長女の出産直前まで飲み会に行っていたことに対する恨みは、私の中に正当なものとして残っていました。
「罪悪感」について
「罪悪感」については、二種類に分けることができました。自分が直すべきことと、もう罪悪感を感じなくていいこと。子どものためにお金や労力を使うことに抱いていた罪悪感が、実は夫が家事育児をやってくれない辛さからくるもので、その恨みが今度は罪悪感に切り替わっていたのだと気づきました。これには罪悪感を抱く必要がない、ということを教えてもらいました。
「頑張ってきたこと」について
そして、「頑張ってきたこと」。最初は何を書けばいいのかと思いましたが、「おむつを買いました」という当たり前の行動が一度きりではないことに気づいた時、私の努力の積み重ねがどれほど膨大であるかを思い知りました。365日、6年間にわたる毎日のご飯の用意、その一つ一つが、私の「頑張り」だったのです。私は今まで、私自身のその頑張りを軽く見ていたことに気がつきました。
このワークのおかげで、まるで力が戻ってきたかのように感じました。
セラピストからの力強い言葉
心理セラピストは、私の気づきを力強く肯定してくれました。
「罪悪感、感じることないですよね?そして不安になるの当然!なこともいっぱいありますよ。それが分かると、あ、この気持ち、感じていいんだ、って思えるんです」
そして、「すごいことやってきたんですよ、子育て三人。未来を育ててるんですよ、三人の未来を。世界に羽ばたく人材を三人も育てているんです、それも無償で」という言葉は、私の存在価値を認め、私を強くしてくれました。
母の影響から自由になること
母の影響は、まだ私の中に根強く残っていました。朝の片付けを急ぐのは、夫に「なんでここが汚いの」と思われたくないという気持ちからでした。先日、夫が子どもたちのためにブランコを設置してくれた時も、母がそれを見て「危ない、なんでこんなものつけたんだ」と言うだろうと考えている自分がいました。
それを心理セラピストに伝えると、母の目線で物事を捉える癖があることを指摘されました。心理セラピストは、「あなたは、お母さんのこと、ちゃんと好きだから。感謝もちゃんとしてる。だから安心して、お母さんに対しての感情をここで出していいんです。『うるさい。お前のせいで私はこんな怖がりになったじゃないか』と、心の中でお母さんに怒っていい。大丈夫、お母さんには届きませんから(笑)」と、感情の解放の仕方を教えてくれました。そうすることで、母が頭の中からいなくなるのだと。
子どもたちとの関わり方を見直して
長女への接し方
この母の影響が、子どもたちにも及んでいることを私は痛感しました。長女が私の判断を気にするようになっていたのです。洋服を選ぶ際にも、私の意見を伺い、なかなか決められない様子は、私自身の優柔不断さと重なりました。
心理セラピストは、「何を着たらいいか、それは子どもに教えてあげていいと思います。例えば『半袖着て薄手の上着持ってきなさい、着てきなさい』でいいじゃない」と、親が子どもに先を教えてあげることの重要性を説きました。
長女の優柔不断さは、幼稚園の面談でも指摘されていました。物の多さにこだわり、なかなか捨てられないのも私と似ています。しかし、心理セラピストはそれを「慎重なんです」「選ぶ訓練をしている」と肯定的に捉えてくれました。
「決められないのはダメじゃない。別の場面では決めてますよ」という言葉は、私の中にあった「優柔不断は悪いこと」というレッテルを剥がしてくれました。子どもの世界に入り込み、彼女らの思考を汲み取ることの重要性を学びました。
夫との関係の変化
夫との関係についても、少し話す時間がありました。ワークのおかげで、夫の誕生日を祝うことができ、二人の関係も良好になりました。夫が「子どもの部分と大人の部分とどっちもあるの」と言った言葉が、私の中でストンと腑に落ちました。心理セラピストは、自分の本当の気持ちを抑え込むことが、パワーをなくす原因になると指摘しました。
褒め方の見直し
子どもを褒めることについても、新たな気づきがありました。私はつい、「まだ小さいのにすごいね」といった褒め方をしてしまっていましたが、それは子どもを小さくしてしまう褒め方だと感じていました。心理セラピストは、バランスを見ながら、優れた部分だけでなく、まだ伸びしろがある部分も認めること、そして褒めすぎないことの重要性を説きました。
次女の成長
次女の授乳量が減ったのは、心理セラピストの「おっぱいも早いかも」という言葉をセラピー中に聞いていたからだとわかりました。赤ちゃんも大人の言葉を理解している、と心理セラピストは力説しました。
きょうだいの関係
子どもたちの関係についても相談しました。次女(10か月)がハイハイでわさわさ動き始めたことで、長男(3歳)は時に激しく怒りで反応することがありました。でも心理セラピストは、それは長男が自分の気持ちを抑えずに表現しているのだから、止めなくていい、と教えてくれました。
長女(5歳)の友達関係については、トラブルがあった際に、ただひたすら話を聞いてあげること、友達を悪者にせず、長女の気持ちに寄り添うことが大切だと教わりました。そうすれば、自分で折り合いをつけることができるのだと。
競争での気持ちを理解する
そして、長女と長男の競争のこと。長女が勝ったと主張しても、長男が「勝ってない!」と言い張ると、長女は怒ってしまいます。私が「あなた(長女)は勝ってるよ」と言っても、長女は私に怒るのです。
心理セラピストは、長女が「お母さん、そういう『確認』の言葉は言われたくない!」と感じているのだと教えてくれました。それは長女のプライドであり、私が長女を守ろうとすると、逆に自分が下に見られていると感じてしまうのだと。
おわりに
このカウンセリングの日々は、私自身の内面を深く見つめ、子どもたちとの関係、そして夫との関係を見つめ直す貴重な時間となりました。私の子育ては、まだ始まったばかり。けれど、ちゃんとしっかり育てる方法がある、ということを知り、とても安心しました。
これからどんな展開になるのか、不安より楽しみの方がずっと大きいです。
― 就学前3人子育て中、ある30代ママの愛のストーリー から
同意を得て、掲載させていただきました。
心理セラピスト 西谷 真美
noteにも、別バージョンで記事を書いています。
こちらから ⇒ https://note.com/cm0880/n/n29521a0ca767