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20代の頃、勤めていた会社には
9年在職していました。

 

システムエンジニアとして7年
その後、人ともっと関わりたいと思い
自分で異動を希望。

 

人事部の中途採用のポストにつきました。

 

その後長男の出産があり
人事部には1年半しかいなかったのですが

10年分に相当するくらいの
凝縮した濃い時間を過ごしました。

 

今でも覚えている、ひとりの青年がいます。

 

彼とは1回の面接だけで
入社までには至らなかったのですが
私の中にも、すべての人の中にも
彼のような要素は内在していると思うのです。

 

背が低いぽっちゃり系、満面の笑顔。
たしか、25歳くらい?

 

こんな履歴書見たことない、というくらい
志望動機のところには
欄をはみ出しながら
びっしり文字が書かれています。

 

7回大学受験に失敗し
母親のすすめで就職活動を始めたと。

 

事務職希望。

 

ハキハキした受け答えで見ためは好印象。

人事部長が彼のその「ハキハキさ」からなのか

「君、営業はどうだね?」
と言いました。

 

彼は
「自分は事務職希望なので営業はお断りします!」
ときっぱり。

人事部長
「そうかね~、営業に向いてると思うけどな~」

 


「事務職以外ははっきりお断りしています!」

人事部長
「そうか~、君、得意な科目はなんだね?」

 

彼「国語です!!(笑顔)」

私と人事部長「・・・・(唖然)」

 

びっしり書かれた志望動機を読むと
まるで小学生が書いた作文のようだったので。

 

面接は終わり
エレベーター前で挨拶して別れた彼の表情に
ちらっと翳りがあるのが気になりました。

 

その1時間後
外での昼食から会社に戻る階段の途中
男性のものすごいどなり声が聞こえてきます。

 

人事部長のどなり声も聞こえます。

 

フロアーに行くと
どなり声が飛び交う面接室の外で
新卒担当二人の男性(武道有資格者)が
危険にすぐ対応できるよう
腕組みしてやりとりを観察しています。

 

彼は面接で怒りのスイッチが入り
どうにも処理できず
「人事部長はいますか?」と
戻ってきたようです。

 

7回も大学受験に失敗し
この道ではないのは自分でもわかってる
けれど社会に出るのが怖い
他の道が見つからない・・・

いろいろずっと言い訳をし
今まで来たのだと思います。

 

「いつか、いつか」と。

 

大学受験をあきらめたはいいけど
今まで学び目指してきたことが
すべて無駄になる、イコール

『自分がなくなってしまう恐怖』。

 

人事部長の言葉で
そのスイッチがオンになったのでしょう。

 

怒りの強い人は、
強い恐怖を隠し持っています。

笑顔と元気、ハキハキした受け答えで
巧妙に隠します。

 

ひととおり怒鳴り合いの話は終わり
部屋から出てきた人事部長が
自分の席に戻り一息ついた時

 

「いや~彼はね、真っ赤な顔をして
汗びっしょりでこぶしを握りしめててね。
よっぽどプライド傷つけられたって
思ったんだね。
俺もついカーっとなってしまって(笑)。」

 

 

あなたの家族が

 

たとえば司法試験合格を目指していたり
投資の勉強をしていたり
小説家を目指していたり
写真家を目指していたり
起業家を目指していて

 

いつかいつかと

 

何年も芽がでないことで
収入に繋がらないことで

 

支え我慢している方もいることでしょう。

 

「その道じゃないよ
あなたには向いてないよ」って言いたいけど

言うとこの彼のように怒り狂うのではと
怖くて言い出せない・・・

 

ずっと私ばっかり我慢し、支え、
もう限界!と思ってるかたも
いるかもしれませんね。

 

また、あなた自身がこの彼のように
うまくいかないことに何年もしがみつき

笑顔と明るいハキハキで、
恐れと怒りを隠しているのかもしれません。

 

ゴールの設定を間違えているから
意図を明確にしてないから
人生は自分の思ったように
うまく流れてはくれません。

 

試験に合格するのが
起業家になるのが
◎◎セラピストになるのが
お金持ちになって好きなことをするのが
結婚するのがゴールではなく

 

そのもっと先に
自分が生まれてきた目的
やりたいこと、生きがいがあり

それを真に知るまで、それと繋がるまで
いろんな出来事が起こります。

 

 

うまくいかない時は

「うまくいってないこと」と
「うまくいってること」を書き出し

うまくいってることに
エネルギーを注ぐといいでしょう。

 

うまくいってないことは
ひとつづつ、やめていくか
やめれなかったら、しばし放置します。

 

すると、
手放す時期が必ずやってくるし
自分でもそれがわかります。

感謝で手放すことができます。

 

そして、もっといいものが現れるのです。

 

素直に正直な気持ち
すべての感情を認めれば

もっと早くネガティブ・ループから抜けられ
深いところから本当の願いが聞こえてきます。

 

ずっと無視し続けてきたその声を聴き
新しい方向へと一歩踏み出せば
今まで思いもよらなかった世界の扉が
開くことでしょう。

 

え?やってみたらこんなに簡単?
もっと早く挑戦してみればよかった!
というくらいに。

 

うまくいってないことに目を背けず
休むのではなく立ち止まり
真の「意図」を言葉にしてみてください。

 

「なぜ?」と。

 

何度も洗練させ、
自分の中でしっくりくるまで磨き寝かせ
言葉が見つかればもう大丈夫。

 

怠けごころが邪魔する余地はどこにもありません。

 

言葉を磨く
言葉を洗練させる・・・

 

自分と向き合い
自分を知り
自分を深める

 

とても時間がかかる面倒くさい作業ですが
やる価値は十二分にありますよ。

 

そんな、ひとり静かな時間を
時々持つことをお勧めします。

 

 

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