母子分離不安
母子分離不安とは ― あなたの「不安」の正体
母子分離不安とは
人は、子宮から出ただけで分離不安を持ちます。
お母さんのお腹の中で、完全に守られ、一体感の中にいた赤ちゃんが、この世に生まれ出るということ。それは「喜び」であると同時に、赤ちゃんにとっては初めての「喪失」でもあります。
「愛されない」「大切にされない」という思い込みを持ち、それが人生において様々な悩みやトラブルとして現れる ―― ということを知っている人は、ほとんどいません。
特に、帝王切開や早産などで生まれてすぐ赤ちゃんと離れた場合、母子分離の期間が長ければ長いほど、「どうせ来てくれない」という無力感や、「愛されていない」という思い込みが深くなります。

母子分離不安が現れる場面
母子分離不安は、人生のあらゆる場面に姿を変えて現れます。赤ちゃんの頃の「後追い」から、大人の恋愛や精神的な症状まで。一見つながりがないように見える悩みの根っこに、同じ「分離の痛み」が潜んでいます。
赤ちゃん・子どもに現れるサイン
後追いがひどい
母子分離からきています。この世の終わりというくらい泣きます。「もう二度と会えないのでは」と子どもは思うので、しがみついて泣きます。
「心は繋がっているよ。ちゃんと○○時に迎えに行くよ。泣いていいからね」と寄り添うと、だんだん安心していきます。
おっぱいの長飲み
さっき飲んだのに、またおっぱい? 子どもが何かで不安な時、「自分はダメだ」「嫌われた?」と思った時に、おっぱいを求めてきます。
そういう時は「おっぱいで繋がらなくても、心でちゃんと繋がってるよ」と伝えてあげます。
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ママのおっぱいや抱っこを嫌がる
母子分離不安から、ママに「愛されてない」「嫌われた」と思い込んでいます。触れられるのを嫌がります。
感情を抑え、フタをしているので少し手ごわいですが、しばらく怒り泣きのあと、悲しそうに泣きます。その感情の下に「愛されてない」という思い込みが潜んでいます。そこを解放することで、おっぱいや抱っこを嫌がらなくなります。
目が合わない
特にお母さんと目が合わないことが多いです。「愛されてない。嫌われてる」という思い込みと恨みを解放すると、目が合うようになります。
行き渋り
母子分離不安が原因の場合がほとんどです。家が子宮、園や学校が新生児室。「子宮に還りたい」=行き渋り、となります。宿泊学習や修学旅行に行けない、なども、ここが原因のケースが多々ありました。

お母さんに現れるサイン
子どもを愛せない
お母さん自身の「母子分離」からくるバーストラウマと、子ども心が大きいことが原因です。そして、自分の愛せない性質を子どもに投影しています。
心の深いところでは、ちゃんと子どものことを愛しています。安心して自分と向き合い、癒していくことで変わっていきます。
子どもに触れられたくない
お母さん自身が、自分の母親に「嫌われてる」「わかってくれなかった」「関心を持ってくれなかった」「甘えられなかった」と思っています。
表面的には母親とうまくいっていても、子育てや夫との関係において表面化します。子どもは無条件に甘えてきます。小さくても許せなくて怒りをぶつけてしまいます。夫に対しても「甘えてる!ダラダラして!」と不満を感じます。
原因はバーストラウマとインナーチャイルドです。
上の子を愛せない
下の子が生まれてから、上の子を愛せない。下の子は無条件にかわいいのに、上の子は憎らしくて触られるのもイヤ。そんな自分に罪悪感。
実は、子どもの頃の自分を上の子に投影しています。愛せないのは上の子ではなく、自分の子ども心です。
どんな性質を愛せないか書き出すと見えてきます。幼い自分にイメージで「まだ好きになれないけど、ここにいていいよ」と胸に居場所を作ってあげましょう。わかってもらえた!と安心し、イヤな気持ちが少なくなります。
産後うつ
出産は喜びですが、同時に大きな喪失でもあります。
お腹の中に約40週いた赤ちゃんが生まれるということは、母子分離不安、大きな喪失の感情が表面化するということ。強い不安感、自己否定、自己嫌悪、劣等感が出てきて、「どうしてこんな感情が出てくるんだろう。これから子育てしなければいけないのに。私は母親失格?」と強く自分を責めます。
産後は、実は大きな癒しのチャンスです。泣いて泣いて止まらなくても、さらにいっぱい泣いてください。焦りや不安が出てきたら、全部感じて味わってください。必ず溶けて消えていきます。
母親業は始まったばかり。たくさんの人に支えられ、甘えさせてもらいながら、完璧を求めない ―― そんなスタンスで子育てを楽しんでいいのです。

大人の恋愛・結婚に現れるパターン
LINEの返事が遅いと不安になる・常に一緒にいたい
パートナーとの距離が少しでも開くと、赤ちゃんの頃のお母さんと「離れた恐怖」が蘇り、感情に支配され、不安でいっぱいになってしまいます。
漠然とした不安が消えない
母子分離の不安と、出産時に母親が何らかの処置を受けていて「何が起きているのかわからなかった」時の感情が重なっている場合があります。
ケンカが絶えない
「こうしてほしい!」「なんでこうしてくれないの!」と要求し合うのは、お互いが「赤ちゃんモード」になっている状態。もらえて当たり前、まだ足りない、もっとほしい ―― もらえているのにザル状態。
「赤ちゃん心」を育てていくことで、ケンカの回数は減っていきます。
親密になるのが怖い
拒絶される恐れ、否定される恐れからきています。深層意識に依存やわがままなど「ブラックな自分」を持っていることを薄々知っていて、そんな醜い自分を相手は嫌うのでは?と怖がっています。
まずは自分のブラックな部分を知り、受け入れる。自分と友達になる。すると人とも深くコミュニケーションがとれ、親密な関係を築けるようになります。
拒絶されるのが怖い
人から頼まれると断れません。相手にイヤな思いをさせるくらいなら自分が我慢しよう、と自分にウソをつき、自分を裏切っています。
どんな気持ちや感情も全部まずは肯定する。自分を大切にする。そこから始めていきましょう。

精神的な症状として現れるもの
過食・過食嘔吐
淋しさは、ちょうど「胃」のあたりにあります。淋しさを埋めるために、お腹を満たせるものを食べます。母子分離不安からきている感情です。
過食嘔吐は、淋しさを埋めた後で、今度は太ることが怖くなります。太る=みにくい=嫌われると思っているからです。どちらも淋しさと「自分のせい」という罪悪感を強く感じるクセがあります。
パニック発作
「怖い」は、実は怒りからきています。すごい怒りを抑圧し、自分のその怒り(パワー)を怖がっています。
ゆっくり呼吸を感じ、「どんな感情もダメじゃないんだ。これは過去の感情なんだ」と思うと、だんだん発作がおさまってきます。そして、原初の怒りと恨みを溶かしていくことで、さらに良い方向に向かいます。
不安・恐怖・対人恐怖
母子分離の不安や恐れ。「ひとりで生きていけない」という思い込み。
母親への恨みを周りの人に投影し、周りが敵に見える。または、自分の嫌いな性質を排除しようとするところからも、人が怖いと感じます。

母子分離不安は、癒せます
母子分離不安は、胎児期・出産時・出産後の体験で生まれた「否定的な思い込み」です。
何層にも重なった感情の下に潜んでいる「思い込みや勘違い」に気づき、「本当は愛されていた」という真実に触れることで、心に平安や安心感が広がり、バランスが取れていきます。
ずっと探し求めていた「居場所」は自分の中にあり、自分を愛してくれる人や環境を外に求める必要はないということを、心の底から実感できるようになるのです。
幼ければ幼いほど癒しは早く進みますが、何歳からでも可能です。

セラピストとして、母として
私の仕事の原点は、第一子の長男を出産した時に遡ります。
長男は、予定より早く、妊娠33週、1800グラムで逆子のまま生まれました。出産後、抱っこもできず、すぐに別の病院へ搬送され、あれほど苦しんだ陣痛と出産も、そばに赤ちゃんがいないことで、「私は本当に産んだのだろうか?」と、実感が湧きませんでした。
6日後に退院し、1時間半かけて長男のいる病院へ会いに行き、初めて保育器に入っている姿を見た時、私は泣き崩れました。チューブだらけで痛々しい小さな赤ちゃん。泣きながら保育器の中に手を伸ばし触れると、薄っすらと目を開けて私を見てくれた姿は、今思い出しても涙が溢れます。
「もっとお腹の中にいさせてあげたかった」「妊娠中、私がもっと気をつけていれば」と、自分を責める思いは、何十年経っても消えることはありませんでした。
赤ちゃんを産んだのに、自分が「赤ちゃん」になっていたことに気づいたのは、この仕事を始めて18年以上経ってからでした。
人生の中で、何度も私自身の母子分離不安を癒す出来事が起こり、身悶えするほどの苦しい感情を何度も体験し、乗り越えてきました。そして、どうすれば乗り越えられるのかが、わかりました。
「バーストラウマと人生のパターン」を知ると、恐怖を感じたり、言葉にできない深い感情が渦巻いたり、「私は自分の子をこんな風に産んでしまった」と罪悪感に襲われたりします。
でも、大丈夫です。本当に、大丈夫なのです。
私の体験が、多くの方の人生の道しるべとなり、母子分離不安を癒し、母子分離を乗り越えることで、人生をもっと楽しく、そして大胆に生きられる ―― そんな安心感と希望を、世界中に広げていきたいと思っています。
心理セラピスト 西谷 真美
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心理セラピスト 西谷真美 / セラピールームBlueWinds
本ページの内容は、西谷真美の24年以上にわたる臨床経験に基づくオリジナルの研究・分析です。無断転載・複製を禁じます。