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母の左手薬指に光る指輪を見て
「これなあに?」と幼い頃、聞きました。

「結婚指輪だよ」と母。
「結婚指輪?」と私。

「うん、結婚する時に
旦那さんになる人からもらうの。
でも、 これは自分で買ったんだよね。」

「自分で買ったの?」
「そう、 お父さん買ってくれなかったから」 

 

母から流れてくる想い。
幼い私には
まだ言葉にすることはできず

いい気持ちではないことは
なんとなく感じました。 

 

『お父さんから買ってもらいたかった』

『それが愛情の印だから・・・』

ずっと父から愛されてない、
と思い込み
不満に思っていたのかもしれないと

大人になってからこのやりとりを思い出し
母の気持ちがわかるような気がするのです。 

 

私は一度結婚し、離婚
そして再婚しました。

一度目の結婚は結婚式を挙げ
婚約指輪と結婚指輪をもらいました。

もらったのに
「自分で働いたお金で買ってほしかった」と
不満に思っていました。

親から出してもらったお金で買った!と。

 

いろいろあって、お別れし
その後、縁あって再婚。

三男を妊娠したことで入籍したので
結婚式は挙げず、指輪もありません。

 

誰かの指にキラっと光る
結婚指輪を見るたび
いくつになっても 「いいな」と思う私がいました。

 

私の中で根強く
『指輪=愛情を最も形に現したもの』
という思い込みがありました。

 

私がほしがってる
「愛情の形」をくれない夫は
私のことを愛してないんだ!

 

ずっと、チクチクそう思い
そうなんだ、やっぱり私のことなんて
愛してないんだ! と

母と同じように
不満に思っている自分に気づきました。

 

「プラチナかゴールドの結婚指輪がほしい!
それが愛情の形よ!」

こんなふうに思っていた私は
なんて我儘なんだろう、と思いました。

 

買いたくても買えない状況
あげたくても
持ってない人に対して 

「なんでくれないんだ!」と
ずっと不満に思い
ずっと待っている状態。

 

夫は 『違う形』で
いつも愛をくれてたのに・・・。

 

どこかに行くと「おみやげ!」と
1000円くらいのネックレスを買ってきたり

給料日にケーキを買ってきたり
私のやってることに口出しせず

好きにさせてくれたり
文句も言わず送り迎えしてくれたり。

 

全部、彼の『愛のカタチ』。

 

これがはっきりわかってから
指輪がほしいとは思わなくなりました。

 

きっと父も、お金のない中結婚し
女ごころがわからず
一生懸命働くことが自分の愛情表現だと
思っていたのかもしれない。

 

私も母も
「指輪」以上の
比べようのない愛を
もらってきたんだな、と思いました。

 

それ以来、夫に要求しなくなったし
求めなくなりました。

不安も不満もなくなりました。

 

自分のほしい形ではないけれど
「カタチ」を変えていつも「愛」はそこにある。

 

そう、気づいた時から
穏やかな気持ちになり
私の中で
ずっとやさしい時間が流れています。

 

 

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